映画と音楽を切り離すことはできない。大好きな映画を思い浮かべるとその映像とともに、その映画で流れていた音楽が聞こえてくるという人も多いのではないだろうか。そしてその聞こえてくる音楽は時代とともにJ-POPへと変わっていく。

映画音楽としてのJ-POP

J-POPが日本の音楽シーンの中心となった1990年代、邦画はJ-POPとひとつとなりその映画のイメージを構築することになる。たとえば「稲村ジェーン」という映画を語るときに、サザンオールスターズの音楽なしに語ることはできない。

彼らの音楽なしに、映画が持つ夏や海のイメージを確たるものには決してできなかったはずだ。もちろん監督が桑田佳祐自身なので、音楽をより効果的に利用できたのは否めない。しかし、その他のタイアップとしてJ-POPを使用した映画たちも、そのクライマックス、または観客が余韻に浸るエンディングでそのテーマ曲であるJ-POPを流すことが多かったため、映画と音楽のイメージは観客の中で固く結びつくことになるのである。

このように映画、音楽、その他の大衆文化はこの時代、その内で相互作用を与え、そこで化学反応を起こすことで、大衆文化全体として大きくなっていった。

また商業的にも映画と音楽は分かちがたく、その映画のサウンドトラック、いわゆるサントラの売り上げは、映画興行全体のそれなりに重要な部分を占めている。

そのため映画音楽の充実は映画製作者の重要な課題であり、そこに大きなエネルギーを割く必要があった。J-POPの興隆の一端を、こういったエネルギーが担ったのは興味深い事実でもある。