一般人がCDを購入するパターンは、かつては二つに大別できた。

ひとつは日常である曲を耳にし、それが気に入り、そしてその曲のCDを購入する。もうひとつは音楽に興味を持ちチャートを調べ、今流行っている音楽から聴いてみて、気に入ったら購入する。

この二通りだ。例外はあっても、多くはこのパターンに当てはまっていたと思う。今はどうだろう?

AKBとJASRACが残した現在のJ-POPシーンへの影響

日常でかつてほど音楽を耳にすることがなくなった、こう感じている人は多いと思う。

これはJASRAC(日本音楽著作権協会)による著作権管理の徹底によるものだが、その是非はここでは触れない。ただ事実として町中で音楽を耳にする機会は減った。

それはつまりCDを購入するパターンのひとつであった「音楽と遭遇する機会」が減少したことを意味する。アイドルグループであるAKB48とその類似した多くのグループは、自身のCDにある特別な付加価値をつけて販売した。いわゆる「握手券」と呼ばれるものである。

これはAKBのコンセプトであった「会いに行けるアイドル」から必然的に生み出されたものであったが、音楽業界に混乱を招いた。長い間日本ではオリコンと呼ばれるCDヒットチャートが重要視されてきたが、これがAKBグループに占領されてしまったからである。

さてもし音楽知識のない者がチャートを見て、そこが女性アイドルのCDで埋め尽くされていたとしたら、果たして参考にするだろうか?

そうAKBとJASRACは、かつてのCD購入パターンを機能不全にしてしまったのだ。その事がCD売上減少に及ぼした影響は想像に難くない。